パナソニックのテレビドアホン「VL-SWZ700KS」と「VL-SWZ700KF」は、一見すると型番がよく似ていて迷ってしまいますよね。実はこの2つ、玄関子機(カメラ付き子機)の仕様が異なるだけで、基本的な機能は共通しています。そこで本記事では、両モデルのスペックや機能の違いを比較し、それぞれどんなご家庭・ユーザーにおすすめかを分かりやすく解説します。加えて、実際の購入者の口コミから見えてくる評価や、導入時の注意点もまとめました。専門用語はできるだけ避け、なるべくやさしい言葉で説明しますので、ぜひ参考にしてください。
VL-SWZ700KS vs VL-SWZ700KF:主な仕様・機能の比較
まずは両モデルの主な仕様と機能を一覧表で比較してみましょう。カメラ性能や録画機能、モニターの特徴、子機の数、配線方式・設置方法など、気になるポイントをまとめています。
項目 | VL-SWZ700KS | VL-SWZ700KF |
---|---|---|
玄関子機の設置方法 | 露出型(壁にそのまま設置)および埋込型対応 ※ | 露出型のみ対応 |
玄関子機のサイズ | 約170×119×26mm(露出時)約170×119×23mm(埋込時) | 約131×99×26.5mm |
玄関子機の材質 | アルミ合金仕上げ+難燃性樹脂(高級感あり) | 難燃性樹脂(プラスチック製) |
玄関子機のカメラ性能 | 約200万画素の広角カラーカメラ搭載水平画角約170°/垂直約100°LEDライト(照明)内蔵 | ※カメラ性能は同等(約200万画素・広角・LEDライト搭載) |
夜間撮影(ナイトビジョン) | 高感度センサー搭載で暗所でもカラー映像対応(0.5ルクス以上の明るさでLEDなしでもカラー表示) | 同左(夜間の視認性向上「カラーナイトビジョン」機能搭載) |
モニター親機 | 7型ワイドカラー液晶(タッチパネル操作対応)壁掛け式(電源コード式、ACコンセントに接続)有線LAN端子・Wi-Fi内蔵(スマホ連携用) | 同左(モニター親機の仕様に違いはありません) |
ワイヤレスモニター子機 | 2.7型液晶の携帯子機が1台付属※増設用に最大6台まで登録可能(別売) | 同左(携帯子機1台付属。追加子機も利用可) |
録画機能 | ○(microSDカード対応。来客映像を動画・音声で録画可能) | 同左(録画機能搭載。留守中の来訪者も自動録画) |
スマホ連携 | ○(インターネット経由でスマートフォンと連携。外出先から来客応対可能) | 同左(スマホ用アプリ「ドアホンコネクト」で遠隔応対可) |
その他特長 | 安心アラート機能(地域の気象・災害情報を通知)音声プッシュ通知(天気予報やゴミの日などお知らせ)宅配ボックス連携(荷物到着を通知)等 | 同左(本体機能はKSと共通。生活支援機能を搭載) |
※露出型=壁の上にそのまま設置する方式、埋込型=壁の中に組み込んでフラットに設置する方式。JIS規格のスイッチボックス(KSモデルは埋込時に3個用サイズ)に適合します。
ご覧のように、基本スペックや搭載機能は両モデルでほぼ同じです。モニター親機は大型7インチで見やすく操作もタッチパネル対応、留守録画やスマホ連携、防犯センサー・カメラ拡張など至れり尽くせりの高機能ドアホンです。ただ唯一の違いが玄関子機(カメラ子機)の取り付け方式と外観になります。次の章で、この違いをもう少し詳しく説明します。
【VL-SWZ700KSセット内容(左:アルミ製玄関子機、中央:7型モニター親機、右:2.7型ワイヤレス子機)】
上の写真はVL-SWZ700KSのセット。玄関子機(写真左)はアルミヘアライン仕上げの金属製カバーで高級感があります。一方、VL-SWZ700KFに付属する玄関子機は樹脂製でひと回り小さいデザインです。両モデルともモニター親機(写真中央)と持ち運びできるワイヤレス子機(写真右)が付属します。
「KS」と「KF」玄関子機の違いを解説
それではVL-SWZ700KSとVL-SWZ700KFの具体的な違いを見ていきましょう。冒頭でも触れた通り、ポイントは玄関に設置するカメラ付き子機の仕様です。型番末尾の「KS」と「KF」で迷いやすいですが、ここを押さえればどちらが自分に合うか判断しやすくなります。
- 取り付け方法の違い: VL-SWZ700KSに付属の玄関子機は、壁に「埋め込んで」設置することが可能です(もちろん露出設置も対応)。一方のVL-SWZ700KF付属玄関子機は露出型専用で、壁の表面にネジ留めするタイプです。つまりKSは壁と一体化したスッキリ設置もできるのに対し、KFはシンプルに壁掛け設置のみという違いがあります。型番は似ていますがここが最大の相違点なので、間違えないよう注意しましょう。
- 玄関子機のサイズとデザイン: 上記の取り付け方式の違いに伴い、玄関子機ユニット自体の大きさと見た目も異なります。KSモデルの玄関子機は高さ17cm×幅12cm程度とやや大型で、埋込対応のため厚みも少し抑えられています。正面パネルにはアルミ合金が使われ、ヘアライン仕上げの金属質な質感で高級感があります。これに対してKFモデルの玄関子機は高さ13cm×幅10cmほどでひと回りコンパクト、素材は難燃性樹脂(プラスチック)製となっています。デザイン上はKSの方がスタイリッシュで存在感があり、KFは実用第一のシンプルな外観と言えるでしょう。
- 機能面の差はほぼ無し: カメラの画質や夜間撮影能力、音声通話性能、防水防塵性能など玄関子機の基本性能はどちらも同等です。実際、両モデルとも約200万画素の広角カメラを搭載し、水平約170°/垂直約100°という非常に広い範囲を映せます。夜も0.5ルクス程度(街灯がある薄暗さ)であればカラー映像で来客を確認でき、必要に応じてLEDライトが自動点灯して玄関先を照らします。録画機能やスマホ連携機能も両モデル共通で備えていますので、「KSだから画質が良い」あるいは「KFだから機能が少ない」といった心配は不要です。
以上のように、VL-SWZ700KSとVL-SWZ700KFの違いは玄関子機の取り付け方式・サイズ・外装素材に集約されます。裏を返せば、性能や使い勝手は同じなので、「ご自宅にどちらの玄関子機を取り付けたいか?」で選ぶと良いでしょう。この後の項目では、その選び方のポイントを具体的なケース別に紹介します。


どんな家庭・ユーザーにどちらがおすすめ?
ここからは、VL-SWZ700KSとVL-SWZ700KFそれぞれがどのようなご家庭・ニーズに向いているかを解説します。新築やリフォーム時に導入する場合と、既存の住宅に後付けする場合など、シチュエーション別にどちらが適しているか考えてみましょう。
VL-SWZ700KS が向いているのは…
- 新築や大規模リフォームでインターホンを導入する方:壁の中に玄関子機を埋め込み設置できるKSは、新築住宅やリフォーム時に壁面をスッキリ仕上げたいケースにピッタリです。埋込対応なので玄関まわりの見た目がスマートになり、防犯カメラのような存在感も抑えられます。外観デザインにこだわる方にもおすすめです。
- **高級感・デザイン重視の方:**KSモデルのアルミヘアライン仕上げ玄関子機は見た目に高級感があります。玄関ドア周りのインテリアや外観と調和させたい場合、金属製の質感はプラスチックより上質に感じられるでしょう。「せっかく良いドアホンを付けるなら見た目も重視したい」という方にはKSが適しています。
- **将来埋込型に変更する可能性がある方:**現在は露出で付けても、後から埋込に変える可能性がある場合はKSを選んでおくと安心です(KS付属玄関子機は露出・埋込どちらでも使える柔軟性があります)。リフォーム予定がある場合などもKSが良いでしょう。
VL-SWZ700KF が向いているのは…
- 既存のインターホンから交換する方:今使っている古いドアホンやチャイムと置き換える後付け導入には、露出型のKFモデルが手軽です。壁に大きな穴あけ工事をする必要がなく、既存の配線(2本の電線)が使えれば比較的簡単に取り付けられます。「なるべく工事を簡単に済ませたい」という場合はKFが無難です。
- 予算を抑えたい方:一般的にKSに比べKFの方が販売価格が安めです(発売当初の店頭目安価格はKS:約10.7万円、KF:約8.5万円でした。現在の実売価格でもKFの方が2万円程度安い傾向があります)。玄関子機の材質や埋込機能にこだわらない分、KFはコストパフォーマンス重視の方に向いています。
- **簡素でも構わない方・賃貸住宅など:**玄関子機がプラスチック製でも気にならない、シンプルな露出型で十分という方にはKFで問題ありません。特に賃貸や仮住まいで大掛かりな工事ができない場合、露出型のKFなら必要最低限の取り付けで済みます。「玄関子機は露出型でOK。素材もそれほど気にしない」という方にはKFが適した選択です。
以上をまとめると、デザインや埋込設置に価値を感じるならVL-SWZ700KS、手軽さや価格重視ならVL-SWZ700KFと考えるとわかりやすいでしょう。どちらを選んでも、基本性能が優れていることに変わりはないので、ご家庭の事情に合わせてベストな方を選んでください。
購入者の口コミ・評判まとめ
実際にVL-SWZ700シリーズを導入したユーザーの声も気になるところですよね。ここでは、SNSや大手通販サイトのレビューをもとに、良い評価と気になる評価の両面をピックアップしてご紹介します。
●良い評価・メリットに関する口コミ
- 「画面が大きく見やすいし操作がほぼタッチパネルで楽。広角カメラで映りも断然違う。」大型モニター親機の見やすさや直感的な操作性は、多くのユーザーが高く評価しています。玄関先の様子がワイド画面に鮮明に映り、「来客対応がしやすくなった」との声が目立ちました。
- 「夜でも明るくカラーで見えるので安心。高感度カメラで暗い玄関周りも広く映してくれる。」というように、夜間の映像の明るさ・綺麗さに驚くレビューもありました。従来機種よりセンサー感度が約2倍向上したことで、街灯程度の明かりがあればLEDライトなしでも顔が識別できると報告されています。
- 「スマホ連携や防犯センサー連動など機能満載。外出先でもカメラ映像を見て応対できるし、窓センサーや防犯カメラも接続可能で通知もできるのが便利。」と、豊富な機能面を評価する声もあります。スマホへの着信転送は「出先でも荷物の受け取り指示ができて助かる」といった具合に活用されており、離れた家族が高齢の親御さん宅に設置して見守りに使うケースもあるようです。
- 「値段は高いがそれだけの価値はある」との声も散見されました。実売価格で数万円台後半~十万円近くする高級モデルですが、「機能・安心感を考えれば納得」「以前の古いドアホンから交換して格段に便利になった」など、価格に見合った満足度を得ているユーザーも多いようです。
●気になる評価・デメリットに関する口コミ
- 「製品は良いが価格が高いのが問題」という指摘はやはりあります。「性能に不満はないが、とにかく値段が高い。2階用の増設モニターも一種類しかなく高価だった」との口コミが示すように、購入費用の高さは最大のネックと言えます。特にVL-SWZ700KSは素材や機能の充実ぶん価格差があるため、予算にシビアな方には悩ましいポイントです。
- スマホ連携の接続について、「家庭内のWi-Fiに繋いでいる分には子機代わりに便利だが、外出中にスマホで使おうとすると上手くいかない場合があった」という声も一部にありました。ネット環境やスマホ側の設定によっては通知が遅れたり接続が不安定に感じることもあるようです。ただし「使い始めて概ね満足。取り付けも自分で容易にできた」というレビューもあり、スマホ連携は環境次第な面もあります。初期設定時は説明書をよく読み、必要に応じてネットワーク設定を確認すると良いでしょう。
- その他、「多機能ゆえ設定項目が多く最初は戸惑う」とか「ワイヤレス子機を追加したいが追加購入が高額」という意見も見られました。特に増設用のワイヤレスモニター子機(品番VL-WD616)は1台1万円以上するため、複数台ほしい場合はコスト増になります。この点は予め頭に入れておきたいですね。
全体として口コミ評価は**「高機能で安心感がある」「画質が良く使いやすい」といったポジティブなものが多く、皆さん価格以外の満足度は高い印象でした。一方でやはり「高い買い物だけに、もっと〇〇だったら…」**という厳しめの意見も少なからずあります。購入前にこうした声もチェックしておくと、自分の重視するポイントと照らし合わせて判断しやすくなるでしょう。


導入・設置時の注意点と補足情報
最後に、VL-SWZ700KS/KFを実際に設置・利用する際の注意点や知っておきたい情報をまとめます。機械が苦手な方でも戸惑わないよう、ポイントを整理しておきましょう。
- 玄関子機~モニター親機間の配線: 両モデルとも玄関子機と室内モニター親機は有線で接続します(2芯ケーブル使用)。既存のインターホン配線が使える場合は配線工事の手間がだいぶ省けます。新設で配線が無い場合は、壁やドア枠に沿ってケーブルを這わせる必要があり、DIYに不安があれば電気工事店に依頼するのがおすすめです。なお、モニター親機の電源はコンセント式(電源コード式)なので、近くにコンセントが無いときは新たに設置するか、コードをモール(配線カバー)で目立たないように這わせる工夫が必要です。
- VL-SWZ700KS(埋込型)の設置工事: KSモデルで玄関子機を埋込設置する場合、壁にJIS規格3個用スイッチボックスが収まる開口部を作る必要があります。木造なら穴開け、コンクリート壁なら専門工具での開口加工が必要になるため、DIY初心者には難易度高めです。新築時なら施工業者に依頼できますが、後付けで埋込にする際はプロに工事をお願いした方が確実でしょう。埋込設置すれば見栄えは良くなりますが、その分手間はかかる点を押さえておきましょう。
- VL-SWZ700KF(露出型)の設置工事: KFモデルの玄関子機取り付けは、壁面にネジで固定するだけなので比較的簡単です。付属の取り付けベースや木ネジを使って玄関脇の適切な高さに設置します。防水パッキンも同梱されているはずなので、屋外に付ける際は隙間なく取り付けて雨水の侵入を防ぎます。配線の接続もプラスドライバー一本で可能で、極性(+-)も無い2線式なので迷いません。取り付け位置さえ決めれば、電動ドリルで下穴を開けてビス留めし、配線を接続してカバーをはめれば完了です。工具はドライバーとドリル(壁材によってはコンクリート用の振動ドリル)があれば足ります。
- モニター親機の設置: 室内モニターは付属の壁掛け金具をネジで固定し、本体を引っ掛ける形で取り付けます。電源コード式なのでコンセントが近くに必要ですが、実は電源コードを外して直結配線にも対応しています。メーカーも「コードを外せば直接配線できる」と案内しており、既存の電源直結式ドアホンからの交換時にはこの方法で綺麗に収めることも可能です。ただし電源直結には電気工事士の資格が必要な作業が含まれるため、一般の方は無理せずコンセント給電で設置する方が安全でしょう。
- 初期設定と使い方のコツ: 設置後、モニター親機の設定メニューから日時や住所(郵便番号)の登録、スマートフォン連携設定などを行います。郵便番号や利用鉄道の登録によって**「安心アラート」機能が有効**になり、地域の避難情報や電車遅延情報まで通知してくれるようになります。スマホ連携は専用アプリ「ドアホンコネクト」をスマホにインストールし、親機とペアリング設定を行います(Wi-Fi経由でも有線LAN経由でも接続可能です)。最初は設定項目が多いですが、取扱説明書に沿って進めれば難しくありません。不安な場合は公式サイトのサポートFAQや問い合わせ窓口も活用すると良いでしょう。
- 便利な機能を活用しよう: このシリーズは宅配ボックス連携や他のPanasonic製IoT家電との連携機能まで備えています。例えば対応する宅配ボックスと組み合わせると、宅配業者が来た際に玄関子機から「荷物は宅配ボックスに入れてください」と音声メッセージを流すこともできます。洗濯機などと連携すれば、洗濯終了をモニター親機がお知らせすることも可能です。最初は盛りだくさんに感じるかもしれませんが、生活スタイルに合わせて少しずつ使いこなしていけば、きっと暮らしの安心・便利さがアップするでしょう。
まとめ: VL-SWZ700KSとVL-SWZ700KFは、最新機能を詰め込んだ「外でもドアホン」シリーズの兄弟モデルです。違いは玄関子機の取り付け方と外観だけで、機能面はどちらも充実しています。ご自宅の状況やご予算、デザインの好みに合わせて適切な方を選べば、きっと長く安心・快適に使えるはずです。大きな画面で来客の顔を確認でき、留守中も録画やスマホ通知で見守ってくれるテレビドアホンは、戸建て住宅の強い味方と言えます。ぜひ本記事の比較・解説を参考に、あなたのご家庭にピッタリのドアホン選びにお役立てください。