「ふんばるマン」と「ふんばるゾウ」は、洗濯機の振動対策と掃除のしやすさ向上のために人気のあるかさ上げ台です。名前が似ていてどちらも用途が同じため混同されがちですが、実は設計や性能に違いがあります。ここでは機械に詳しくない方にもわかりやすいように、両者の仕様や機能の違いを比較し、それぞれの使い勝手や口コミ評判まで丁寧に解説します。
ふんばるマン vs ふんばるゾウ – 仕様比較表
まず、基本スペックや構造上の違いを一覧表でまとめます。それぞれの形状・サイズ・耐荷重などを比べると以下のようになります。
項目 | ふんばるマン | ふんばるゾウ |
---|---|---|
形状 | 三角形(ほぼ三角形の形状) ※防水パンの角にフィットする設計 | 六角形(六角形の形状) ※場所を選ばず設置できる汎用形 |
サイズ | 約縦104mm×横104mm×高さ62mm | 約縦104mm×横100mm×高さ62mm |
カラー | ホワイトのみ | ホワイト・グレー・ブラックの3色 |
耐荷重 | 300kg(4個セット合計) | 200kg(4個セット合計) |
材質 | 本体:ポリプロピレン(硬質プラスチック)滑り止めシート:エラストマー(ゴム状樹脂) | 本体:ポリプロピレン滑り止めシート:エラストマー |
内部構造 | 中に多数の柱状構造(支柱)あり ※洗濯機の振動に合わせて支柱がしなり振動伝達を軽減 | 中空構造(内部に目立った柱は無し)※六角形&平らな構造で広い接地面を確保 |
開発・監修 | 因幡電工(空調設備メーカー)が開発 | 防災士(女性)の監修による開発 |
セット内容 | 4個1セット(洗濯機の四隅に使用) | 4個1セット(同上) |
※両製品とも基本高さは約6.2cmで、洗濯機を約6cm持ち上げる形になります(商品説明では「高さ5cm」と表記されることもありますが、ゴムシート部などを含め実質6cm程度かさ上げされます)。
上記のように、耐荷重や形状・カラー展開に明確な差があります。例えば、大型のドラム式洗濯機など重量がある場合には耐荷重が高いふんばるマン(300kg対応)の安心感が魅力です。一方でインテリアや床の色に合わせたい場合にはカラーバリエーション豊富なふんばるゾウが選ばれる傾向にあります。また形状についても、三角形のふんばるマンは防水パン(洗濯機パン)の角にぴったり収まる設計で、六角形のふんばるゾウは床上どこにでも安定して置ける汎用性が特徴です。
では次に、こうした仕様の違いが実用面でどのように現れるのか、詳しく見ていきましょう。


実用面での違い:材質・滑り止め・防振性能など
材質と構造による防振性能の違い
両商品とも本体は硬質プラスチック(PP)、底面に滑り止め用のゴムシート(エラストマー)を備えており、床への設置面にクッション性を持たせています。しかし内部構造は大きく異なります。
- ふんばるマン: 内部に格子状に近い柱状の支柱が多数配置された独自構造です。洗濯機が振動する際、この支柱が適度にしなり振動に追随することで、揺れの伝達を抑える効果があります。いわばスタンド自体がサスペンションのように働き、防振に特化した設計になっています。実際、柱状構造のおかげで本体だけでも振動吸収効果が高いとの評価があります。防水パンの角にフィットする三角形ゆえ、揺れに対しても安定して受け止めやすい形状です。
- ふんばるゾウ: 内部に目立った柱はなく中が空洞になった構造です。その代わり六角形の形状により底面積が広く、重量と振動を分散して支える安定感があります。開発時に防災士(防震の専門家)の監修を受けており、多方向からの振動に対応しやすい作りになっているのも特徴です。ただし単体の防振効果としては、ふんばるマンのような特殊構造ほどの吸収力はないとも言われています。そのため厚手の防振マットを床との間に追加して使う方もいるようです(実際、ふんばるゾウ購入者には振動吸収パッドが特典で付属する場合もあるようです)。
防音性(騒音軽減効果)についても、基本的には振動をどれだけ床に伝えないかで決まります。両者とも防振ゴムシートのおかげで洗濯機の脚と床の間にクッション層が生まれ、床や防水パンへの振動伝達を和らげるため運転音・振動音の軽減に効果があります。特に夜間の洗濯でも音が気にならなくなった、テレビの音量を上げずに済むようになった等、静音効果に満足する声は両製品で共通して多いです。ただ、ごく一部には「かさ上げしたことで逆に音が目立つように感じた」という声もあり、これは床材や洗濯機の重量との相性によるとの指摘があります。総じてふんばるマンは振動吸収寄り、ふんばるゾウは安定支撑寄りの設計といえますが、どちらも適切に設置すれば振動・騒音の軽減効果が期待できます。
滑り止め(ズレ防止)の性能
重量級の洗濯機を支える上で心配なのが「ズレてしまわないか」ですよね。どちらの製品もその点はしっかり対策されています。両者とも底面全面に滑り止め用のゴムシートを貼り付けてあり、床との摩擦でズレを防止します。さらに洗濯機の脚を乗せる上面には縁やリブ(突起)が設けられており、振動で洗濯機がスタンドから飛び出したり滑り落ちたりしないよう工夫されています。実際に「脱水時でも洗濯機が動かずガタガタしない」と安定性を評価する口コミも多く、グラつきや移動を防ぐ性能はどちらも十分との評判です。
ただし設置面の状況による違いもあります。例えば床が極端につるつるのフローリングや、防水パン内が濡れている状態だと、ゴムの効果が発揮しづらく多少ズレてしまうケースも報告されています。特にふんばるマン利用者から「重いドラム式+ツルツル床では効果が薄かった」との声があり、これは床との摩擦不足が原因のようです。対策として、設置前に床のホコリや水分をよく拭き取ること(メーカーも推奨)、必要に応じて市販の防振マットを併用することが挙げられます。基本的には両商品とも洗濯機が大暴れしない限りズレ落ちない設計ですので、通常の使用であれば安心して大丈夫でしょう。
排水ホースの取り回しや通気性
洗濯機の設置環境によっては「排水口やホース」の位置も気になりますね。洗濯機の下に排水口がある場合、本体を底上げしないとホースがつぶれてしまったり、水の流れが悪くなることがあります。ふんばるマン/ふんばるゾウとも高さ約6cmのかさ上げによって排水ホースのスペースがしっかり確保できます。例えば防水パン内に排水トラップがあるご家庭でも、かさ上げ台を使えばホースを無理なく通せるので安心です。さらに床と洗濯機底の間に空間ができることで通気性も向上し、湿気がこもりにくくなります。これはカビ防止や臭い範囲にも効果的で、防水パンがない直置き環境でも床の結露やカビ対策に一役買ってくれます。
その他の実用メリット
- 掃除のしやすさ: どちらも洗濯機下に手や掃除道具が入る隙間が生まれるため、ホコリやゴミの掃除が格段にラクになります。ふんばるゾウは六角形形状ゆえ四方に少し余白ができやすく、掃除機のノズルやモップが通しやすいという利点があります。一方ふんばるマンも高さ自体は十分確保でき、防水パンの隅々まで拭き掃除しやすくなります。形状の違いによるホコリの溜まり方にも差があり、ふんばるゾウは凹凸部分が多いぶんゴミが目につきやすいのでマメに掃除する人にはかえって都合が良いという意見もあります。逆にふんばるマンは角が少ないシンプル形状で隙間が生じにくいため汚れがたまりにくく拭き取りやすいという声もあります。いずれにせよ洗濯機下のホコリや水垢を放置せず掃除できるのは大きなメリットで、「長年諦めていた洗濯機下の綿埃を取れて感動!」といった喜びの口コミも多く見られました。
- 設置のしやすさ: 両製品とも特別な工具は一切不要で、洗濯機の脚にただ敷くだけで使える手軽さがあります。製品自体もコンパクトで軽いため、扱いやすいです。とはいえ洗濯機は重量物ですので、設置作業は二人以上で行うか業者に依頼するのが安全です。実際の設置方法は「洗濯機を片側ずつ持ち上げ、その下にスタンドを滑り込ませる」という手順になります(詳しくはメーカー公開の取り付け動画も参考になります)。女性一人で作業する場合、テコの原理で傾けて一つずつ置く裏技も紹介されていますが、腰を痛めないよう十分注意してください。なお一度設置してしまえば基本的に付けっぱなしでOKです。ふんばるゾウはゴムシートがしっかり張り付く分「普段はズレないが外す時にやや手間」という指摘がありますが、逆にいえば設置しっぱなしでメンテナンスフリーとも言えます。ふんばるマンも同様に、一度正しく置けば勝手に外れることはありません。
- 耐久性: どちらも硬質樹脂製で水や錆にも強く、劣化しにくい素材です。直射日光や極端な高温になる場所でなければ長期間使用できるでしょう(ふんばるゾウの商品説明には使用可能温度0~40℃と記載)。ゴムシート部分は経年で硬くなる可能性がありますが、レビューを見る限り数年使っても問題なく機能しているという声が大半です。万が一ゴムが摩耗してきた場合でも、市販の防振ゴムマットを併用すれば引き続き効果を維持できます。
それぞれに向いている家庭・洗濯機タイプは?
では、ふんばるマンとふんばるゾウは具体的にどんなご家庭や洗濯機に向いているのかを整理してみましょう。それぞれの特徴を踏まえると、以下のような選び分けがおすすめです。
- 大型・重量級の洗濯機をお使いの方、振動が特に激しい環境
ふんばるマンがおすすめ。耐荷重300kgと余裕があり、柱状構造による高い振動吸収性能で重いドラム式洗濯機との相性が良いとの評価があります。特に集合住宅で階下への振動が心配な場合や、大家族向け大型洗濯機を使用している場合は、頑丈で安心感のあるふんばるマンが心強い味方になるでしょう。「とにかく振動を抑えたい」「少しでも静かにしたい」という方には最有力候補です。 - 洗濯機の下に防水パンがあるご家庭
ふんばるマンがフィット。防水パンの角にぴったり収まる三角形デザインのため、狭いパンの中でも無駄な空きができません。洗濯機パンの内寸いっぱいいっぱいに本体を置いている場合でも、角に沿う形で設置できるのでスペースを有効活用できます。逆にふんばるゾウは六角形ゆえパンの隅に置くとわずかに隙間が生じる可能性があります(※多くの場合洗濯機の脚はパンの中心寄りにあるため問題なく設置できますが、パンのサイズによっては要確認です)。「防水パンの形状に合わせやすいのはどっち?」と聞かれれば、答えはふんばるマンと言えるでしょう。 - 防水パンが無い or 床に直置きしているご家庭
ふんばるゾウが便利。床の上ならば六角形の形状による設置場所の自由度が活きます。四角い防水パン位置に縛られず、洗濯機の脚さえ載せられればどんな配置でもしっかり支えてくれます。またカラーバリエーションも含め部屋の雰囲気に合わせやすいので、インテリア重視の方にも選ばれています。賃貸などで床材に合わせて目立たない色を選びたい場合や、洗面所の雰囲気を壊したくない場合にもふんばるゾウは好評です。 - ドラム式洗濯機か縦型洗濯機かで迷う場合
基本的にどちらの商品もドラム式・縦型問わず使用可能です。ただしドラム式は高速回転による横揺れが大きい傾向があるため、「洗濯機が歩く(動いてしまう)のを防ぎたい」という目的なら安定感重視のふんばるゾウが向いているとの意見もあります。一方でドラム式は重量自体も重いので、「床への荷重が心配」「もっとも頑丈な台が欲しい」という場合はふんばるマンに軍配が上がります。どちらを選ぶにせよ耐荷重は十分ですが、超大型ドラム式(例:AQUAの12kg機種など)は物理的サイズが合わない場合もあり注意が必要です(※実際「AQUA製12kgドラムには非推奨」との情報あり)。一方、縦型洗濯機の場合は振動も比較的小さく重量も軽めなので200kg耐荷重のふんばるゾウでも問題なく支えられます。強いて言えば縦型は上から衣類を出し入れするため、本体が6cm高くなると背の低い方だと洗濯槽の底に手が届きにくく感じる可能性があります。この点はふんばるマン・ふんばるゾウ共通の注意点ですが、特に身長が低めの主婦の方で縦型をご使用の場合は頭に入れておくと良いでしょう。 - 見た目のスッキリ感やインテリア性を重視する方
ふんばるゾウがおすすめ。3色展開に加え表面がマット調で落ち着いた質感のため、床になじみおしゃれに見えると評判です。白い洗濯機×白い台座はもちろん、フローリングに合わせてグレーやブラックを選ぶことで生活感を抑えた雰囲気にできます。一方ふんばるマンは白一色のみですが、洗濯機パンや床が白系なら違和感なく溶け込みます。ただ黒系の床やダークカラーのインテリアでは白い台座が目立つかもしれません。そのため「見た目も妥協したくない」という方には色が選べるふんばるゾウが向いていると言えます。逆に「色は気にしない、とにかく機能優先」という方はふんばるマンでも問題ないでしょう。 - その他
ふんばるゾウは公式には冷蔵庫や家具のかさ上げ用途にも使える汎用タイプとして販売されています。そのため「洗濯機以外にも流用したい」「将来的に家具の下にも置くかも」という場合にはふんばるゾウが応用範囲で勝ります。ふんばるマンは空調設備メーカーのノウハウから生まれた洗濯機専用設計なので、目的が洗濯機だけなら信頼感があります。
以上をまとめると、振動対策の切り札が「ふんばるマン」、安定設置とインテリア適応力で選ぶなら「ふんばるゾウ」という棲み分けになります。とはいえ性能差は紙一重な部分もありますので、ご自宅の環境(防水パンの有無、床の材質、洗濯機のサイズや重量、家族構成など)を踏まえて総合的に判断すると良いでしょう。


実際の口コミ評価
最後に、実際にふんばるマン/ふんばるゾウを使用している方々の口コミから、良かった点・気になった点をいくつかご紹介します。SNS上の声や通販サイトのレビューを確認すると、両製品とも高評価が多い一方で、それぞれ若干のデメリットも報告されています。
ふんばるマンの口コミ
- 良い口コミ
「掃除が楽になった」「洗濯機下にお掃除ロボットやモップが入るようになり助かる」「排水口の清掃も簡単になった」など、かさ上げによる清掃面のメリットを挙げる声がたくさんあります。また「振動や音が軽減されて夜でも安心」「集合住宅でも気兼ねなく洗濯できるようになった」と、防振・防音効果に満足するレビューも目立ちます。「洗濯機がしっかり固定されグラつかないので安心」という安定性への評価もあり、総じて掃除と防振の両面で導入して良かったと感じているユーザーが多い印象です。 - 悪い口コミ
「床がツルツルだと効果半減」「重いドラム式だと若干不安定」「無いよりマシ程度」という辛口の声も一部にあります。特に挙がっていたのが床との相性問題で、先述したように滑りやすい床ではスタンド自体が動いてしまい振動軽減が感じられなかったという例です。「かさ上げしたぶん、縦型だと底の洗濯物が取りにくくなった」との意見もあり、高さゆえのデメリットを指摘する声もありました(※この点はどの台座でも共通の注意点です)。また、量販店の設置業者から「かさ上げは推奨しない」と言われ使用を断念したケースもあるようで、メーカー保証や振動リスクを気にする方は導入に悩むこともあるようです。ただし実際に使った方のレビューでは概ね効果に満足している人が多く、「無いよりマシ」というより「無いと困る」という声の方が多い印象でした。
ふんばるゾウの口コミ
- 良い口コミ
「振動音が大幅に減って深夜でも回せるようになった」「脱水時のグラグラが収まり、洗濯機が動かなくなった」と、防振・防音効果に関する喜びの声が多数見られます。特に「ガタガタ響いていた脱水音が解消された」「リビング横に洗濯機があるがテレビの音量を上げなくて済むようになった」など、静音効果を実感する口コミが目立ちました。また「洗濯機下の掃除がこんなに楽になるなんて!」という声もあり、かさ上げ効果で長年届かなかったホコリを取れて感動したというエピソードも紹介されています。そのほか「見た目がおしゃれ」「マットな黒を選んだら全然生活感が出ない」とデザイン面を評価するレビューもありました。総合的に「騒音と掃除の悩みが一気に解決して大満足!」といった高評価が多いです。 - 悪い口コミ
「脱水時に逆に音が出るようになった」「安定感はあるが振動がゼロにはならない」という声がありました。前者は設置環境との相性で振動音の周波数が変化したケースのようですが、「防振マットを併用したら改善した」という報告があります。また「洗濯機ラック(上置き棚)との高さの兼ね合いに注意」との指摘も見られます。具体的には洗濯機を持ち上げたことで上部のラックや棚と干渉し、設置場所によっては支障が出る場合があるという内容です。「サイズが合わなかった」という口コミでは、特定の大型ドラム式(先述のAQUA製など)では脚の間隔が特殊で使えなかった例が報告されています。これらは購入前の確認不足や周辺環境との兼ね合いによるものですが、「大型機種は事前にサイズ要チェック」「かさ上げ後の高さ環境も確認を」と総評されています。
どちらを選ぶべき?
ここまで「ふんばるマン」と「ふんばるゾウ」の違いを、仕様・構造から実際の口コミまで詳しく見てきました。それぞれに強みがあり、ご家庭の状況や重視ポイントによって最適な選択肢は異なります。振動対策重視で安心感を求めるなら耐荷重に余裕があり防振構造がしっかりしたふんばるマンが頼もしいですし、お掃除のしやすさやインテリアへの馴染みやすさを求めるならカラーも選べて安定感抜群のふんばるゾウに軍配が上がるでしょう。
大事なのは、洗濯機周りの環境(防水パンの有無、床の材質、洗濯機のタイプ・重量、上下のスペースなど)を把握し、自分の優先順位と照らし合わせて決めることです。「振動の軽減」「掃除のしやすさ」「設置スペースの余裕」「インテリアとの調和」「予算」などを総合的に考えると、自ずとどちらが自宅に合っているか見えてくるはずです。
両方とも優れたアイテムであることは間違いありませんので、ぜひ本記事の比較ポイントを参考に、ご家庭にピッタリの一品を選んでみてくださいね。きっと毎日の洗濯が今までより快適になりますよ。